ファンダメンタル分析とは?分析手法の基本やメリット・デメリットについて解説

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今回は株式投資の分析手法、ファンダメンタル分析について解説します。

株式投資における分析方法は様々ありますが、自身の投資スタイル等によって最適な分析方法は異なるため、各分析方法の特徴は事前に把握しておくことが大切です。

これから株式投資を始めようとされている方や、株式投資の基礎について学びたい方はぜひ読んでみてください。

ファンダメンタル分析とは?

分析手法イメージ
ファンダメンタル分析とは、企業の価値と株価を比較することで相場状況を分析する手法です。

「ファンダメンタル」とは経済指標のことで、気になる企業の決算や成長率、利益率等の指標をベースに分析し、投資判断を行います。

主に企業の業績や財務に関連する指標で分析するため、「何を買うのか?」を判断するのに適した分析手法と言えるでしょう。

一方でファンダメンタルに並ぶ分析、テクニカル分析は「いつ買う(売る)のか?」を判断するのに適した手法です。

テクニカル分析単体は短期的なトレードに向いていますが、ファンダメンタル分析と組み合わせることで中長期的な株価の予測精度を高めることができます。

【ファンダメンタル分析の基本】企業の決算発表

財務状況イメージ
ファンダメンタル分析の基本は、企業の決算発表によるデータを活用することです。決算とは企業の成績表のようなもので、決算の期間は4月から翌年3月までの1年間が一般的です。

決算時に公表されるBS(貸借対照表)や損益計算書、キャッシュフロー計算書からその企業の業績や財務状況等を主な分析材料として活用します。

それぞれの資料からは収益性や財務状況、現金の流れを確認することができるので、ファンダメンタル分析を行うためには、決算書の内容は一通り理解できるようになる必要があります。

特に、以下はその企業が儲かっているのかを把握するためには欠かせません。

・売上高
・営業利益
・経常利益
・純利益

ファンダメンタル分析でよく使う指標

ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析で活用できる指標は多岐にわたりますが、本記事ではその中でも特に使われる頻度が多い2つの指標について解説します。

EPS

EPSとは1株あたりにおける利益がどれぐらいなのかを表す指標で、企業の成長性について見ることができます。

計算式としては「当期純利益÷発行済み株式数」で算出可能で、EPSの値が上昇していれば順調に成長していると判断することができます。

EPSは短期間ではなく、数年間の推移を確認することが大切です。順調に値が伸びていれば安定して成長していますし、アップダウンが激しければ成長性の有無についての判断が難しくなります。

少なくとも、直近5~10年ぐらいのEPSの推移は把握しておきましょう。

ROE

ROEとは自己資本利益率のことで、その企業の収益性について知ることができます。

「当期純利益÷自己資本×100」で計算することで、「自己資本でどれぐらい効率的に利益を上げたか」を判断できる指標です。

こちらもEPS同様、1年間だけでなく数年間の推移を見ることでより正確な情報を得ることができます。

1年間だけでは、事業や土地の売却等で利益が一時的に増えてROEが上昇しているケースもあるため、間違った判断をしてしまうため注意が必要です。

ファンダメンタル分析のメリット

1.長期的な投資で有効活用できる

基本的にファンダメンタル分析は長期投資において大きな効果を発揮します。

株価は短期的には市場心理や突発的なニュース・イベントで変動しますが、長期的に見るとその企業の実力・業績が反映されることが多いです。

そのため、ファンダメンタル分析を用いて割安な銘柄や成長性の高い企業を見極めて、安定したリターンを狙うことができます。

また、長期的な視点で株価を見るため、一時的な市場の動きに惑わされず、冷静な投信団がしやすくなるのもファンダメンタル分析の利点と言えるでしょう。

2.株価変動が起きやすい時期を把握できる

ファンダメンタル分析ができるようになると、業績発表や経済指標の発表等、株価が変動しやすい時期を事前に把握しやすくなります。

例えば、四半期決算の時期は多数の企業の業績が公になるため、それを受けて株価が大きく動くことがあります。

また、金利政策や為替レート等、マクロ経済的なイベントも株価に影響を与える要因の1つです。

これらの情報を事前に抑えておくことで、売買を行う適切なタイミングを考えやすくなります。

ファンダメンタル分析のデメリット

1.時間・勉強・労力が必要

ファンダメンタル分析は、突き詰めると情報量がとにかく膨大になります。投資初心者の場合、財務諸表を読み解くスキルや知識も0から身につける必要があるため、スタート地点に立つためには勉強が必須です。

また、企業の事業内容や競合他社との比較、業界全体の動向も把握する必要があるため、情報収集は常に継続してアップデートしなければいけません。

情報収集が疎かになると分析精度も低下し、誤った投資判断を行う危険もあるため注意が必要です。

勉強も含め、投資に対して一定の時間・リソースを割ける状況でなければ、高度なファンダメンタル分析はハードルが高いと言えます。

2.業績の良し悪しが必ず株価に反映されるわけではない

企業の業績が100%株価に直結するとは限りません。短期的な株価は様々な要因で変動するとお伝えしましたが、その銘柄に関連するニュースやイベントがいつ発生したりするのかは予測も難しいです。

また、業績が良かったとしても事前の市場予測を下回っていると、株価が下落するケースも珍しくありません。

ファンダメンタル分析の分析結果だけに依存せず、テクニカル分析も含め、様々な情報とも照らし合わせることで株価の予測精度を高めることができるでしょう。

投資スタイルに合わせてファンダメンタル分析を活用せよ!

ファンダメンタル分析は企業の財務諸表を主軸に分析して株価を予測する手法で、長期的な投資においては欠かせない分析と言えます。

ただし、株価は様々な要因で変動するため、決算書の内容から読み取れるデータだけでの予測には限度もあります。

テクニカル分析をはじめとする他の分析手法や、経済指標とも組み合わせて分析を行うことで、より株価を予測するためのスキルを磨くことができるでしょう。

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