年金の不確実性や終身雇用制の崩壊等を背景に、副業の需要は高まっています。
その中でも株式投資は多くの方が本業の傍ら挑戦する、最もオーソドックスな副業の1つです。
日経平均株価は高水準を維持していますが、その中でも高騰する銘柄と暴落する銘柄、様々な動きをする銘柄があります。
そこで今回は、株価が変動する基本的な要因について紹介します。
もちろん、突発的且つ例外的な要因で株価が上がったり下がったりする場合もありますが、株価が変動する基本的な要因を理解しておくことで、実際の売買でも冷静に判断しやすくなります。
・これから投資を始めようと検討している
・株式投資の勉強に取り組んでいる
・投資で長期的に儲けられるようになりたい
株式投資を通して安定的且つ長期的に資産を増やしたい投資初心者・初級者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
株価が変動する主な理由
株価は、買いたい人と売りたい人、つまり需要と供給のバランスで決まります。
需要(買い)が供給(売り)を上回れば株価が上がり、供給が需要を上回れば株価は下がるということです。
そして、肝心なのはどのような理由で需要と供給のバランスが変わるかという点になりますので、各ケースでの理由について簡単に解説します。
・株価が上がる理由
・株価が下がる理由
株価が上がる理由
業績改善や期待度の高いプレスリリース
企業の決算発表で売り上げや利益が市場予想を上回ると、その企業の価値が評価され、さらなる成長を期待して株を買いたい人が増えることで株価が上昇します。
また、新しいサービスのプレスリリースを出したときも、「これは期待できる!」とユーザーの期待度が高い内容であれば、その時点で株価が上昇するケースも珍しくありません。
特に、成長分野の中でも好調を維持する企業は人気も高く買いも多いです。
買収や合併(M&A)
企業は競争力を強化するために他企業の買収や合併等を行います。
こうした情報が公になることで事業拡大や生産性向上が期待され、株価が上がるケースが多いです。
例えば、AmazonがWhole Foodsを買収した時にも、事業拡大への期待感が高まり、株価に反映されています。
株式分割
株式分割とは、株価の高い企業が文字通り既存の株式を分割することで購入しやすくなる仕組みのことです。
100株100万円のところを分割して1,000株100万円にすれば、投資家も買いやすくなり取引量が増加し、結果的に株価が上昇します。
実際、AppleやTeslaは株式分割後に株価が上昇しました。
増配や株主還元政策強化
企業が配当金を増やしたり自社株買いを発表したりすると、投資家に対する利益還元が評価されて買いたい人が増えて株価が上昇しやすいです。
配当金をシンプルに増額するのも、株主優待が手厚くなるのも、株主にとってはありがたい話ですし、手厚い利益を求めて新たに株を買いたい人も増えるでしょう。
具体例でいうと、コカ・コーラやP&Gのような高配当株は、こうした要因で株価が上昇した事例が多いです。
経済指標の改善
経済指標が良い結果を示すことででも、投資家心理もポジティブになり、市場全体が上昇傾向になりやすいです。
雇用統計やGDP成長率の改善、デフレ脱却等によって株価は上がりますし、近年でいうと脱中国の動きも、日本株の価値を高めている要因の1つと言えるでしょう。
また、各企業のコーポレートガバナンス強化による生産性・収益性向上も株価にポジティブな影響を及ぼします。
気になる銘柄については開示されている情報に目を通して、どのような状況でどのような取り組みをしているのかを調べてみるのも面白いと思います。
金融緩和政策
政策による金融緩和も、株価上昇を後押しする主な要因の一つです。
中央銀行が金利の引き下げを行ったり、量的緩和を実施することで市場に流れる資金が増大し、株式投資が活発化します。
業界問わず、全体的に株価が上昇しやすいため、多くの投資家が儲けやすいケースと言えるでしょう。
株価が下がる理由
業績の悪化や不祥事
企業の決算発表で予想を大きく下回ったり、業績予想の下方修正が行われた場合、投資家の信頼が失われ、株価が下がります。
また、粉飾決算等をはじめとする何らかの不祥事が公になった時も、投資家の信頼を大きく損ねることで、そこまで順調に値上がりしていたとしても暴落するケースも珍しくありません。
経済不安
経済指標に注目していると、リセッションの懸念や失業率上昇などから経済状況が悪化する予兆が見られる場合があります。
経済状況悪化の予兆が見られると、投資家心理としてはリスク回避のために売りに出る可能性が高く、結果的に株価が下落するケースが多いです。
地政学リスク
パンデミックや災害、大規模な政治的トラブル等が発生すると不安定な状況を避けるために株式から撤退する動きが活発化し、株価が急落する場合があります。
代表的な事例としては、リーマンブラザーズが倒産したことで起きたリーマンショックが該当します。
株価の急激な変動を予測するコツ
株価の動きを100%正確に予測することは一流の投資家でも難しいですが、日ごろからできる事をコツコツ取り組んでおくことで、高い精度で株価の変動を察知しやすくなります。
ここでは株価の急激な変動を予測するための3つのコツを紹介します。
ニュースや経済指標のチェックを習慣化する
株価の急変動はニュースや経済指標がトリガーになるケースが多いため、最新の情報を素早くキャッチする必要があります。
決算発表日や業績修正のアナウンス、雇用統計やGDP、金融政策関連のニュース等、ニュースアラートを活用して重要イベントを見逃がさないように意識しましょう。
毎日決まった時間にチェックしつつ、何気なくスマホを触るのと同じように経済指標等をチェックする習慣を身につけられるとベストです。
異常な取引量・価格変動幅のアンテナを張る
株価の急激な変動の前には、取引量が倍増したり、不自然な価格変動が見られる場合があります。
平均取引量の数倍をマークしたり、日中の値動きが平均よりも激しい場合、何かが起きる可能性が高いと言えるでしょう。
テクニカル分析ツールやスクリーナーを活用して、異常な取引を早いタイミングで察知できるように日ごろから意識しておくことが大切です。
突発的なイベントの兆候を把握する
リーマンショックや災害、パンデミック等、突発的なイベントも株価を短期間で大きく動かします。
大企業の不祥事や法的トラブルの報道、天然資源価格の急変動、様々なイベントが想定可能です。
リスクが高まりそうな業界や地域のニュースを小まめにチェックしたり、注目している銘柄周りの情報は常に最新のものをキャッチアップしましょう。
まとめ
株価が変動する時には、必ず原因があります。
株価がいつ、どう動くのかを100%正確に予測することは一流の投資家であっても困難ですが、投資の知見を磨き続けることで予測精度を一定以上高めることができます。
株式投資の基礎を押さえつつ、常に最新の情報をキャッチアップするように習慣づけていきましょう。
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